相続手続専門こん・さいとう司法書士事務所
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Feb 18, 2021
【認知症家族の預金引き出しが簡単に】 全国銀行協会が認知症患者の家族による預金引き出しについて、初めてとなる指針を公表すると新聞報道がありました。 2021年2月17日放送のTBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」の中で残間里江子さんが担当するコーナー(AM6:05頃)を聞いて知りました。 現時点で全国銀行協会の公式ホームページには、この指針に関する情報は掲載されていないかったので、朝日新聞や日本経済新聞の報道で知る限りですが、認知症患者の家族にとっては朗報となりそうです。 これまでの銀行の対応は、本人が認知症であれば成年後見人を立てないと預金の引き出しは認められないとするところが多数でした。反対に、事情を斟酌して家族からの引き出しを便宜的に認めるところもありました。 つまり対応は銀行・支店・担当者によってバラバラだったのです。全国のほぼ全ての銀行が加盟する全国銀行協会は、この取り扱いについて統一的な指針を初めて公表したことになります。 その条件など詳しいことは、当事務所の公式ホームページで解説していますが、端的に言えば「預金の引き出し程度なら成年後見人を立てずに家族でも対応可能」とするものです。 冒頭のラジオ番組で残間さんが現在の成年後見制度の問題をズバリ指摘していて、とても素晴らしい内容でしたので、是非radikoで聴いていただきたいです(当事務所のHPでも解説していますが残間さんのお話の方が分かりやすいかもしれません…)。 今回公表される全国銀行協会の指針は「マニュアルではない」とのことなので、依然として対応はマチマチになることは否めませんが、少なくとも今までのように窓口で門前払いされることはなくなると思います。 認知症患者を持つ家族としては、本人の口座管理は重荷になる場合もありますが、まったくそうでない場合もあります。 もし大した負担でもないようであれば、その為に成年後見制度を利用するのは勇み足のような気もします。 認知症の家族にとってはこれまで以上に、成年後見制度を利用するか否か慎重に判断しなければならなくなったと言えるかもしれません。