糖尿病内科 アスクレピオス診療院
糖尿病内科 アスクレピオス診療院
Jul 19, 2019
糖尿病内科通信 その17 「高尿酸血症・痛風ってどんな病気?」 高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高くなる病気です。 肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病の方に合併することがあります。 血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。 尿酸というのは、「プリン体」という物質が体内で分解されてできる老廃物です。 尿酸は、腎臓から尿を通じて体外に排泄されていますが、尿酸は水に溶けにくい物質です。 そのため、 ① 遺伝的・体質的に尿酸を排泄しづらい。 ② 尿酸の元となるプリン体を含む食品の摂取量が多い。 ③ 体内での尿酸の生産量が多い。 ④ 尿酸を排泄できる量が少ない。 ⑤ 利尿薬などの薬剤 などの影響を受け、尿酸の産生が過剰になったり、尿酸の排泄が低下し、尿酸が過剰になると、尿酸が体内で析出して結晶を作り、さまざまな症状をきたします。 尿酸が析出する事の多い場所としては、関節内、腎臓、尿管内が挙げられます。 そのため、高尿酸血症の合併症としては、 ① 尿酸が関節内で析出して炎症をきたした痛風 ② 尿酸が腎臓に析出沈着して腎障害をきたした痛風腎 ③ 尿酸が尿管(尿の通り道)で析出した尿路結石  などが代表的です。 また、高尿酸血症が、心・脳血管障害のリスク因子となる可能性も示唆されています。 痛風について説明すると、 痛風の関節炎は、痛風発作と呼ばれます。 症状としては、足などの関節に尿酸が析出し、炎症をおこし、赤く腫れあがり、歩行困難になります。急性期の治療は、痛み止めによる対症療法になります。 一旦、症状が治まると、次の発作まで自覚症状はありませんが、次第に痛風発作が頻発するようになります。そのため、平時からの高尿酸血症の治療が必要です。 高尿酸血症の治療は、 ① 生活習慣の改善 ② 高尿酸血症に合併することの多い生活習慣業(肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症など) ② 内服薬(尿酸排泄促進薬、尿酸生成抑制薬) でおこないます。 生活習慣の治療については、体内での尿酸産生が増えやすくなる過食、高プリン・高脂肪・高たんぱく食、アルコール多飲などの生活習慣を避けます。 次に、高尿酸血症に合併することが多く、また、リスク因子となりうる生活習慣病(肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症等)の治療をおこないます。 これらの病気は、放置すると、動脈硬化をきたしたり、腎臓を悪くすることもあり、別の意味でも治療が必要です。 最後に薬物療法ですが、高尿酸血症の治療薬には、尿酸の産生を抑える薬と、尿酸の排泄を促す薬の二種類があります。 現在では、尿酸の産生を抑える薬が良く使われています。 以上が、高尿酸血症・痛風の説明になります。 当院は、糖尿病、高血圧、高脂血症の生活習慣病が専門ですが、他の疾患も治療しておりますので、お気軽にご相談下さい。 文責・名古屋市名東区の内科・糖尿病内科クリニック    アスクレピオス診療院 院長 服部 泰輔
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