「ゼロ秒思考」赤羽雄二
著者:赤羽雄二
東京大学工学部を1978年に卒業後、小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。 1983年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了。1986年、マッキンゼーに入社。 1990年にはマッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力となるとともに、韓国企業、特にLGグループの世界的な躍進を支えた。 2002年、「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命としてブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業。
「考える」ためのヒント
「思考は言葉によってなされる」「感情も言葉にできる」という思考と言葉の関係を強く意識し、頭に浮かぶイメージ、感覚を言葉にする。言語化に慣れてくると、自分の気持ちを苦労せずに表現できるようになる。
しかし、言語化においてもコミュニケーションにおいても、言葉の揺らぎに関しては注意が必要。例えば、「全力でやります」といった言葉は、10時〜18時までの努力を指す人もいれば、徹夜が当然という人もいる。自分や他人の言葉の正確な意味を深く理解することが重要。
人はゼロ秒で考えられる
時間をかければ考えが深まるとは限らない
できる人、優れた経営者は即断即決の人が多い。彼らは本当にこぐ一部で、ほとんどの人は、決断に延々と時間をかける。その差とは、「訓練の欠如」「生産性という概念の欠如」。彼らは普段から問題に向き合い、必要な情報収集も怠らない。常に感度が高く、慎重でいながら正確である。
究極はゼロ秒思考
ゼロ秒とは、瞬時に現状を認識し、瞬時に課題を整理し、瞬時に解決策を考え、瞬時にどう動くべきか意思決定できること。そうした思考の「質」と「スピード」、双方の到達点が「ゼロ秒思考」である。
「ゼロ秒思考」思考において、二つの勘が必要となる。
- 適切な判断をするために必要な情報を自分が持っているのか
- 「ゼロ秒思考」といっても、情報が不足していればもちろん最小限の調査・情報収集が必要となる。
- どこからどうやって鍵となる情報をとったら良いのか
- これがわからず、大半の人は調べすぎてしまい、判断・決断が伸びてしまう
ゼロ秒思考はメモ書きで身につける
「メモ書き」は、こわばった頭をほぐす格好の柔軟体操であり、頭を鍛える手軽な練習方法である。
具体的には、A4用紙を横置きにし、1件1ページで、1ページに4〜6行、各行20〜30行、1ぺージを1分以内、毎日10ページ書く。したがって、毎日10分だけメモを書く。
メモ書きの4つの効能
- メモを書くと、頭が整理される
- もやっとした思いを言葉に直し、手書きし、目で確認することで、メモが外部メモリになる。頭のキャパが広がり、頭の働きが良くなる
- メモを書くと、自信が出てポジティブになれる
- メモ書きによって、目の前の課題が可視化され、優先順位も自ずと明確になり、課題が速やかに解決される。この好循環により、自信とポジティブさが自然と出てくる
- メモを書くと、腹が立たなくなる
- 人目を気にせず、吐き出したメモを見ることで、気分が落ち着くだけでなく、自分の状況を客観視でき、自分の落ち度も見えてくる
- メモを書くと、急成長できる
- メモ書きによる、頭の整理ができることで、いろんな問題が同時に起きても、慌てず騒がず、必要な情報を収集し、重要・深刻なものから順次解決していくことができる
ゼロ秒思考をつくるメモの書き方
タイトルはなんでも良い。頭に浮かんだものを躊躇せずに書くだけ。
本文の書き方
- 1行を長めに書く(オススメは20〜30字)
- 頑張って4〜6行書く
- 書く順番は気にしない
- メモのフォーマットは必ず守る
メモ用紙は、A4用紙の裏紙がベスト。そして、毎日10ページ書く。
最後に書き方で大事なのは、1ページ1分で思いついた瞬間に書くこと。さっと書き終えて、次のことにいくことで頭が整理される。モヤモヤを言語化する練習になるし、正先生も上がる。
以下がメモの例である。
メモを使いつくす
メモを深掘りするとさらに効果的
1ページに書いた4〜6行それぞれをタイトルとして、さらに4〜6ページのメモを書くと、さらに考えが深まり、整理される。1つのタイトルを深掘りすると、あっと言う間に難しい問題が小分けにされ、分解して整理でき、同時に全体像が頭に入るという大きなマリっとが期待できる。
メモから企画書をまとめる方法
- 思いついたアイデアを片っ端から書き殴る
- カルタ取りのように並べてみる
- 新しいアイデアが出てきたら、追加する、整理する
- 全体のバランスをとる
- メモを見ながらパワーポイントで書き上げる
- 企画書を数日間熟成させ、きめ細かな修正でレベルアップ
感想
今まで読んできた「〇〇思考」と言う本(例:仮説思考、論点思考)は、人間の思考の整理をしてくれるものが多かったが、今回の「ゼロ秒思考」はソリューション、いわゆる行うべき実践法よりで、個人的には予想していた内容と違ってびっくりだった。
正直なところ、僕には、手書きによるメモの習慣は皆無に近く、大学の授業ではエバーノートもしくは、配布されたレジュメのpdfファイルに気づきを書き込むくらい。
さらに、著者の赤羽さんは、思いついた時にすぐ言語化させるために常に紙とペンを持ち歩かれているそうだが、それも僕には少しはハードルが高い。僕は外出時、基本的に手ぶらで、右ポッケにアイフォン、左ポッケにお札とクレジットカード。財布もかさばるので、マネークリップで挟んでいるほど。要するに、紙とペン持つのは無理とw
でも、「メモを書く」本質的な理由は、自分の思いを即座にアウトプットし、正確に自分を認識し、頭を整理していくことだと思う。この行為による生産性が上がる理由には、僕は納得したので、それは行うべきだと思った。なので、僕は、スマホのメモ帳にパッと思ったことを言語化するようにする。
赤羽さん曰く、紙に手書きでなければいけないらしいが、そこは許してください。。
「会社の老化は止められない」細谷功
著者:細谷功
ビジネスコンサルタント。1964年、神奈川県に生まれる。東京大学工学部を卒業後、東芝を経てコンサルティングの世界へ。アーンスト&ヤング、キャップジェミニなどの米仏日系コンサルティング会社を経て、2009年よりクニエのマネージングディレクターとなる。2012年より同社コンサルティングフェロー。専門領域は、製品開発、営業、マーケティング領域を中心とした戦略策定や業務・IT改革に関するコンサルティング。
- 会社という名の不可逆プロセス
- 老化した会社の「止められない」症候群
- 老化を加速させる大企業のジレンマ
- 会社の老化がイノベーターを殺す
- 何がパラダイムシフトを拒むのか
- 組織の宿命をどう乗り越えるのか
- 感想
会社という名の不可逆プロセス
会社の営みは「老化との戦い」である
会社は「大企業病」「官僚主義」になると、後戻りができない。会社の老化は不可逆プロセスとして進行して行く。
会社にも「子供」「大人」「老人」がある
会社とは「同じ価値観で動いている閉じた一つの系」である。スタートアップ企業が「赤ん坊」に相当し、伝統的巨大企業が「老人」と言える。ベンチャー企業も、未熟であると同時に、将来性をも併せ持つ「赤ん坊」である。
会社は暗黙のうちに「不老不死」を信じている
老化が進めば、必ず死ぬという自然の摂理は、会社にも当てはまる。「老化プロセス」は、「成長プロセス」からつながるプロセスだから、会社で起こっている老化には気づきにくい。
会社にはいくつもの不可逆プロセスがある
不可逆とは、時間の非対称性である。お盆の水は一度溢れると、元には戻らないのが良い例。組織の中には、そのような「不可逆プロセス」がいたるところに存在し、それらの組み合わせで会社全体が不可逆プロセスとなり、老化をもたらす。
「エントロピー増大の法則」は会社にも当てはまる
時間に対する不可逆性を表現しているのが、熱力学の第二法則「エントロピー増大の法則*1」。この法則は、組織論において、組織が一方通行で非効率になっていくことに対して比喩的に用いられる。
「人間」の心理も不可逆である
要するに、人間には、ある方向へ簡単に変化することはあっても、自然には逆方向には戻らないという性質がある。「習慣」はその一つであり、人間は一度得たものを(無ければないでなんともないのに)失うことを恐れてしまう。
老化した会社には「思考停止」現象が頻発する
「思考停止」を「上位概念で考えられなくなること」と定義する。噛み砕いて説明すると、思考が自分中心になり、目に見えて形に現れている具体的な者のみに目を奪われること。「思考停止」をした社員は、非効率な定例会議の増加、顧客サービスよりも自社組織の優先などを引き起こす。
老化した会社の「止められない」症候群
細分化の流れは止められない
組織における細分化は、組織の分業化と、階層の多層化に分けられる。どちらの増殖も不可逆的に進んでいく。その老化の行き着く先は、「大企業病」である。
コミュニケーションコストの増加は止められない
組織の細分化が進むにつれて、コミュニケーション機会は指数関数的に増えていく。組織が大きくなると、「規模の経済」が享受できるが、その分コミュニケーションコストがかかる。産業のサービス化・IT化・アプリ化といった動きは、規模の経済が聞きにくい構造へのシフトであり、「規模の不経済」は、これまで以上に問題となる。
性善説から性悪説への流れの変化は止められない
問題が起きるごとに会社内の規則が増加する。これは、「従業員を信用します」というスタンスから「信用しません」への不可逆プロセスの始まりである。規則の増加により、社員は「成功の最大化」でなく「失敗の最小化」という行動パターンへ変わっていく。
老化を加速させる大企業のジレンマ
評価指標を多様化すれば人材が凡庸化する
重要なのは評価指標の運用の仕方である。多様な評価指標+加点主義は人材の多様化を、多様な評価指標+減点主義は人材の凡庸化を意味する。
M&Aは老化に拍車をかける
老化度の進行具合「若」「老」で合併のパターンは3つに分けられる。
混ぜることで「劣化」は確実に進行する。この不可逆プロセスは組織にも当てはまっている。
会社の老化がイノベーターを殺す
多くはアンチイノベーターである
従業員は二つの人材に分けられる。
- 革新的な業務を行う「イノベーション人材」
- 確立された業務を行う「オペレーション人材」
会社が成長期を過ぎると、オペレーション人材が増え過ぎることで会社の老化へとつながる。
老化すれば社内政治家が増える
イノベーターが仕事をするモチベーションは、内発的なもの(世の中に役に立つこと、自分の好きなこと、面白いこと)であるのに対し、アンチイノベーターは外発的なもの(ノルマの達成、昇進、金銭的報酬)である。「金と数字」重視は、社内政治家を増幅させる。減点法による意思決定が重視される会社では、彼らは高く評価される。
思考回路は決して交わることがない
思考回路が異なる理由は、アンチイノベーターは、「かたいもの」だけを見るが、イノベーターは「やわらかいもの」も含めて考えている。
何がパラダイムシフトを拒むのか
会社はなぜか老化と世代交代を前提としていない
会社の事業計画で「寿命」が考慮されている話は聞いたことがない。人間の成長期には「体重が増えること」が成長の人等の指標であるが、ある段階からは「一定以上の体重増加は健康に悪い」と意識の転換を図る。しかし、会社の場合はいつまでも事業の成長を求められている。
負債化した「常識」が会社の変革を妨げる
「常識」を「一つの時代を生き抜くために必要な基本的な知識と考え方」と定義する。
「常識人」となった後、二つに路線が別れる。
- 超常識人
- 常識を身につけて活用した後に次の時代に向けて過去の経験や知識を再構築することで、前の常識を脱することができている
- 次世代の「サポーター」
- 過常識人
- 積み重ねた知識や経験が固まって、他に転用が効かなくなってしまっている
- 次世代の「抵抗勢力」
親会社の子離れ、子会社の親離れが世代交代を実現する
親が子に望むことは、早く独り立ちすることであるが、会社の世界では「ダメな親子関係」を体現している。子会社は親会社から与えられた仕事だけやっていくことに何も疑問を感じていない。
本来子会社には優秀なイノベーターを配置すべきである。彼らに別の環境で活躍できるような子会社の場を提供し、いずれは親離れさせるというのが親会社である。
組織の宿命をどう乗り越えるのか
無駄な抵抗はやめて運命を受け入れる
アンチエイジングはできても、根本から若返ることは不可能である。無駄な抵抗はせず、うまく世代交代を図ることで老化の弊害を最小限に抑えることをすべき。
不可逆プロセスを遅らせる方法をとる
「方向性の統一」により、老化の進行を遅らせることができる。その手段として、明確な戦略を描く・行動指針の明確化と浸透が挙げられる。
「イノベーター」と「アンチイノベーター」との適性を見極めた上で適切に「切り分ける」ことも有効である。砂糖は砂糖、塩は塩で使われて、初めて個性が生かされる。
感想
この本の著者、細谷功さん。幼稚園の時に死んだじいちゃんと名前が一緒なだけに、真面目な話を1度もすることがなかったから、あたかもじいちゃんの考えを聞いているかのように、細谷さんの本を読んでしまう。(悲しい感想の始まりですいませんw)
本の中で、一つ心に響いたフレーズがあった。
勝負事における万能の必勝法はないが、絶対負けない方法がある。それは勝負をしないこと。
かっこいい。。。自分は勝負せずに負けないという安定を選択してるくせに、果敢に勝負して失敗してる人を心の中で蔑んでみる感情を持ったことがないかと心に問いかけてしまいました。。この本はそんな自分を見つめ直す機会をくれた良書だった。
ということで、僕も勝負することにした。とりあえず、毎日コロコロを50回しようと思います。コロコロが何なのかは動画を参照下さい。(動画では立ってコロコロかつ失敗してますけど、座ってコロコロ50回で勘弁して下さい)
「読んだら忘れない読書術」樺沢紫苑
著者:樺沢紫苑
精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。メールマガジン「精神科医・樺沢紫苑公式メルマガ」など15万部以上を配信している。インターネット・メディアを駆使して、精神医学、心理学の知識や情報をわかりやすく発信している。
読書によって得られる8つのこと
①結晶化された知識
単なる羅列された文字情報でなはく、実践可能で応用可能で行動につながり、10年経っても風化することのない 「結晶化された知識」を得られるのが本である。
②時間
本には、何千人もの成功と失敗の体験が載っていて、その知識から無駄を避け、膨大な時間を節約することができる。
③仕事力
アウトプット量を上げるには、インプット量を上げなければいけない。ライバルに圧倒的に差をつける第一歩が、読書量を増やすことである。
④健康
ある研究で、読書、音楽視聴、コーヒー、ゲーム、散歩の中で、読書が最も高いストレス解消効果が得られた。6分間の読書で、ストレスを2/3以上軽減できる。
⑤頭が良くなる
読書は「物知り」にさせるだけでなく、「地頭が良くなる」「知能が高くなる」「脳が活性化し、脳のパフォーマンスが高まる」と、多くの脳科学研究が示している。
⑥人生の変化
読書で将来の選択肢が広がる。自分の頭でいくら状況を打開する方法を考えても、限界がある。
⑦自己成長
読書によって「考え方」だけでなく、実際に自分の「行動」が変化し、自分を取り巻く現実が少しでも良くなるような読書をすることで、確実に自己成長する。
⑧喜び
読書は「最高の娯楽」である。楽しみながら読むだけで、記憶にも残り、学びにもなる。
読んだら忘れない 読書術 3つの基本
①記憶に残る読書
脳が「重要な情報」と判断する基準は「何度も利用される情報」と「心が動いた出来事」の二つ。すなわち、1週間に3回アウトプットを行い、ノルアドレナリン・ドーパミン・エンドルフィンなどの記憶を高める脳内物質を意識的に分泌させることが大事。
②スキマ時間読書
人生の1割に相当するスキマ時間を「浪費」に使うのか、「自己投資」に使うのかで、人生は変わる。「今日1日でこの本を読む!」と目標設定をし、制限時間を決め緊張感を出すことで、読んだ内容も記憶に残りやすくなる。
③深読読書
「本を読んだ」の定義は、「内容を説明できること」「内容について議論できること」。「深読」は読書の必要条件であり、「深読」できるようになってから、「速読」「多読」を目指すべき。
読んだら忘れない 読書術 2つのキーワード
記憶に残る読書術のキーワードは「アウトプット」「スキマ時間」。
アウトプット読書術
- 「気づき」の一節にマーカーを引く
- 複数の切り口で人に本を勧める
- 「気づき」をSNSでシェアする
- レビューを翌日以降に書く
スキマ時間読書術
- 集中力UPのため制限時間を決める
- スキマ時間を、集中力を最大に発揮できる15分に設定する
- 記憶に残りやすい寝る前に読書する
読んだら忘れない 読書術 超実践編
「読んだら忘れない読書術」3つの原則と、2つのキーワードを抑えたので、次はその「HOW TO」について紹介している
目的地を把握する
本を読む前に、パラパラと全体を見通し、「目的地」と「行き方」を決めてしまう。
パラパラ読みをする目的3つ
- 全体を把握する
- 本を読む目的を設定する
- 「速読」か「精読」かを決める
知りたい部分を先に読む
本は最初から1字1句読む必要はない。本は「学び」や「気づき」を得るために読むので、その最適な読み方をする必要がある。
最初に「目的地」を把握しておくことで、何倍も早く目的のページに到達することができる。
自分にとって少し難しい内容の本を読む
人間の脳は、「自分の能力よりも少し難しい課題」に取り組んでいるときに、最も活性化する。テレビゲームと同じで、2,3度失敗して、要領を掴んでなんとか次のステージに進める、ギリギリの難易度が学びを最大化する。
幸福感に包まれて読む
ワクワクして読むと30年以上鮮明に記憶できる。50歳前後の大人たちが「北斗の拳」の話を詳細に記憶しているのは、ワクワク感に包まれているときに分泌されている脳内物質ドーパミンのせいである。
ドーパミンは、モチベーションを高めてくれる重要な物質であり、かる記憶力も高まる。
著者に会いに行って勉強する
本で文字として書ききれなかった非言語メッセージを受け取ることで、本の内容を何倍も深く理解できるようになる。
「読書」というのは、インプットの入り口であり、その著者からの学びの入り口でもある。
読んだら忘れない 本の選択術
ホームラン読書術
読書は「たくさん読む」よりも「何を読むか」の方が10倍重要。1冊1冊を真剣に選ぶことで、真に自己成長につながる「ホームラン本」と出会う確率を飛躍的に高めることができる。
守破離読書術
情報も知識も、今の自分に必要なものを集め、吸収すべき。
守破離とは、武道における学びの姿勢を示す言葉。
「守」は、師についてその流儀を習い、その流儀を守って励むこと
「破」は、師の流儀を極めた後に他流を研究すること
「離」は、自己の研究を集大成し、独自の境地を拓いて一流を編み出すこと
読む本における分野について、自分が「守破離」のどのステージにいるのかを見極めることで、自ずと最も必要な本が明らかになる。
入門書読書術
まずは、入門書にで基礎知識と全体像を把握する。基礎体力を養ってから、次のステージに進むことで、時間の節約とともに、より深い学びを得ることができる。
お勧め読書術
「なりたい人」の本、「なりたい人」の推薦する本をチェックする。評論家やキュレーターが推薦している、もしくはレビューの高い本からある程度候補を絞り、最後に「自分の選択眼」で決断して選ぶ方が、ハズレが少なく効率がいい。
セレンディピティ読書術
セレンディピティとは、思わぬものを偶然に発見する能力のこと。
書店で偶然棚を見て、予期せぬ本を見つけることがある。これは偶然ではなく、「選択的注意」であり、無意識的に注意力を働かせて「選択」をしている。このように、「情報フィルター」をあらかじめ準備しておくことで、ホームラン本と出会う確率は倍増する。
数珠つなぎ読書術
読んでいる本の内容についてもっと深く知りたいと思った場合は、その本の「参考文献」の中から興味深い本をピックアップして読んでいけば、その分野の知識が深まる。人間の記憶は芋づる式になっているので、そのような「固め読み」した方が圧倒的に記憶に残りやすい。
感想
僕は読んだ本を毎回要約してるからか、人と話してるときや外を歩いてるときに、「これは〇〇の本で読んだことに似てるな」「〇〇の本で言ってた〇〇の意味と同じ意味だな」とか思い出すことがあって、時々は本から得た内容が実生活に生かされてると感じる時がある。だけど、この本の著者、樺沢紫苑さん曰く、3回のアウトプットが必要で、しかも1週間以内に。。
ということで、自分なりの3回のアウトプットを真面目に考えてみた。
- 要約の記事を書く
- もうすでにこのブログでやっているから、それを続ける。
- 誰かに本の内容を話す
- 友達の少ない僕にとって、これは至難の技だが、毎日図書館で作業をしながら、学部の後輩を待ち伏せする。
- 身近な友達に電話する
- アウトプット2つ目と似てるが、これしか思いつかなかった。(この時点でアウトプット下手)
- 「なぜ、こいつは本の説明のために毎回電話してくるのか?」と不安がられないように、"身近な" 友達というところがミソ。
今日から実践してみますが、いいアウトプット3つ目が思い浮かぶ方は、教えてください。友達の作り方もお待ちしています。
「手書きの戦略論」磯部光毅
著者:磯部光毅
磯部光毅事務所アカウントプラナー。1972年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、1997年博報堂入社。ストラテジックプランニング局を経て、制作局(コピーライター)に転属。2007年独立し、磯部光毅事務所設立。受賞歴にニューヨークフェスティバルズAME賞グランプリ、ACC CMフェスティバルME賞メダリストなど
ポジショニング論
ポジショニング論は、「違い」が人を動かすと考える戦略論。そもそも、ポジショニングとは、顧客のニーズを汲み取りながらお客さんの頭の中で、競合と違った位置付けを得ること。
ポジショニングをする上で、自ブランドにとって有利に働く競争軸を発見することが大切。ライバル商品との対立構造で立案するとクリアな戦略が作りやすい。
自ブランドを魅力的に見せる2つの方法
- オーバーテイク型
- 既存の価値軸の中で競合に勝る違いをつくる
- カテゴリーメイク型
- 全く新しい価値軸を打ち立てて違いをつくる
強み
- 頭の中の位置付けなので、多様な「違い」の作り方が可能
- お客さんの商品購買に直結する選択肢を提示できる
- 商品の特徴や機能ベネフィットに立脚している
- 広告などで訴求しやすい
弱み
- 市場が成熟し類似品が増えると「違い」の設定が困難
- お客さんの関心が低いカテゴリーだと「違い」を訴求しても響かない
ブランド論
ブランド論とは、「らしさ」の記憶が人を動かすと考える戦略論。その記憶をどのようにお客さんの頭の中に連想構造として残すかがポイント。
ブランドはロジックとマジック、すなわち論理と感情・感覚の両面からつくり出される。
プランニングに必要な4つのポイント
- 固定的な「ブランド」でなく動的な「ブランディング」
- ブランドの中心は、ミッションとビジョン
- 「体験」と「接点」の視点から見直す
- ブランドパーソナリティをしっかり固める
強み
- お客さんの商品・サービスに対する「価値」「好意」「絆」を醸成できる
- プレミアムな価値維持に貢献できる
- 長期的な反復購買を促すことができる
弱み
- 記憶や感情に関わるもので、効果を可視化、数値化しづらい
- 長期記憶に残すことを主眼に置いているので、必ずしも即効性が高くない
- 直接的な購買歓喜に繋がるとは限らない
アカウントプランニング論
アカウントプランニング論とは、「深層心理」が人を動かすと考える戦略論。消費者の心理や行動を理解し、広告開発プロセスに取り込む手法。
インサイト(深層心理)を見つけるのは、データや事象を見たときの「違和感」が出発点。
強み
- 消費者意識が反映された戦略およびクリエイティブが生まれやすい
- インサイトは低関与の人、広告を信じない人の心を動かす力がある
- クリエイティブブリーフという1枚の設計図にまとめることで、戦略のブレをなくすことができる
弱み
ダイレクト論
ダイレクト論とは、「反応」の喚起が人を動かすという戦略論。お客さんの反応を獲得しながら関係を深め、LTV(顧客生涯価値)を高めることを目指す。
強み
- 顕在顧客獲得に強く、売上に直結する
- 即効性がある
- 投資対効果が可視化できる
- 精緻なターゲティングかできる
- 複数の広告展開を同時に行える
- PDCAを早く回せる
弱み
- 潜在顧客へのアプローチは苦手
- 効率を求めすぎて、短期的な視点に陥りやすい
- 比較が容易なネット上では、差別化が十分でないと価格競争になりやすい
- 記憶にアプローチしないので、価値づくり、ブランドづくりが難しい
IMC論
IMC論とは、「接点」の統合が人を動かすと考える戦略論。IMCとは、統合マーケティングコミュニケーション(Integrated Marketing Communication)。複数の接点をつなぎ、接点ごとに最適なメッセージを出し分けることが大切。
カスタマージャーニーは、お客さん一人一人がブランドと接点を持つなか、どう行動や意識が変遷するかを表すもの。
強み
- 複数接点、複数メッセージを繋げることでお客さんとの関係強化が可能
- KPIなどの中間指標で効果が測れる
弱み
- 接点づくりに偏重して、そこで具体的に何を伝え、どう気持ちを動かすのかの視点が弱い
- 接点を細かく分けすぎることで発想や企画が小さくなる
- KPIの運用次第で、数量化しやすいものに偏重したり、手段が目的化する危険がある
エンゲージメント論
エンゲージメント論とは、「関与」が人を動かす戦略論。エンゲージメントとは、お客さんが能動的に関与することで生まれる、心理的な繋がり。
2種類のエンゲージメント法
- キャンペーンセントリック型
- 短期間で瞬発力を持って、多くの人が参加したくなる施策
- オールウェイズオン型
- ユーザーに寄り添い、中長期的な視点でのファン育成を目指す施策
強み
- 広くゆるい関与は、情報伝達を容易にし、なんとなく買いに寄与する
- 深い関与は、口コミの発信源となり、ファンの熱い応援につながる
- 比較的予算がかからない
弱み
- 即効性がない
- 継続的活動なので手間がかかることが多い
- 効果の数値化が難しい
クチコミ論
クチコミ論とは、情報の「人づて」が人を動かすという戦略論。クチコミを通じて、「ファンづくり」と「ムーブメントづくり」を目指す。
クチコミは「共感」「信頼」「憧れ」によって加速する。
SNSで拡散されやすいネタ
- 具体的に役立つ「機能的」なネタ
- 自己顕示欲をくすぐる「社会的」なネタ
- 人を揺さぶる「感情的」なネタ
強み
- 情報の量、信頼性、接触する順番の点で、他メディアを凌駕し始めている
- 低予算で広く拡散する可能性がある
弱み
- 情報の自走が基本なので、アンコントローラブルな部分が多い
- 戦略論としてまだ確立していない
- 効果測定が難しい
7つの戦略論を俯瞰する
戦略論を7つに分けたが、全ての戦略論が正しく、かつ重要である。7つのコミュニケーション戦略は「人を動かす」という同じゴールを目指す上での手段である。
今後、マーケター / プランナーは7つの戦略論を組み合わせ新しいコミュニケーションモデルを発明しなければならない。
発明のキーワードは「シームレス化」
- 行動データがシームレス化
- モノと広告がシームレス化
- テレビとネットがシームレス化
- 販売がシームレス化
- 人とコンピュータがシームレス化
感想
この本を読んで、広告のマーケター、プランナーへの考えが変わった。というのも、
広告の戦略って、どうやって商品やサービスを消費者に販売促進させれるかを考えるっていうイメージだったけど、論理だけでなく感情にも寄り添って、人の心・行動をどう動かすかを考える、面白い業種だなと思った。
その一方で、全てのモノがインターネットに繋がれて、人とモノの接点に毎回広告が出るような時代が来ると、1日で僕に入ってくる情報量も大量になるわけで、個人として情報の正しい取捨選択が必要だし、マーケターとしては、本当にその人に広告として必要な情報を届けることが必要になってくると思った。
クチコミ論の章で、役に立つネタがSNSでシェアされると書いてあったんで、このブックレポートも1記事ごとの質あげてもっとシェアされるように頑張ります!
でも、わかりやすく書こうと思うと、(みなさんお気づきでしょうが)文字数も最近増えちゃってて、、なので「5分で読めないんやけど!」というコメントが来ないうちに頑張りますw
「人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術」古川武士
著:古川武士
習慣化コンサルティング株式会社代表取締役。関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。日本で唯一の「習慣化」をテーマにしたコンサルティング会社を設立。オリジナルの習慣化理論・技術を開発し、個人と法人にコンサルティングや研修を提供している。近年は「朝型&高密度化コンサルティング」を通じて朝型勤務で高い生産性を目指す企業を支援している
悪循環の夜型、好循環の朝型
夜型は多残業の悪循環に陥る。それには3つの原因がある。
- 夜型寝不足によりエネルギーが低い
- 無計画で行き当たりばったりの仕事をする
- 緊急な仕事から始めて、本当に重要な仕事を最後にする
早起きの最大のメリットは、自信が持てるようになること。朝方の好循環の生活を持って、余裕を持ち、自分の時間がしっかり取れている生活を1ヶ月、1年、3年と続けると、他人の評価に左右されない、強い自信につながる。
睡眠というのは、脳が休んでいるのではなく、情報を遮断した状態で自分の経験を整理している状態。よって、朝起きた時は、脳の中も情報がきちんと整理されていて、新しい情報を入れたり、クリエイティブなことをする状態が整っている。
なぜ、早起きは続かないのか?
早起きは習慣化の中で最も難易度が高い。なぜならば、仕事の習慣、家族との時間など、いろんな習慣が複雑に絡み合っているから。早起きは単体ではなく、生活習慣全体で考える必要がある。
早起きが失敗する8つの例
- 一気に5時起きにシフトする
- 起きる時間だけを目標にする
- 睡眠時間を削る
- 生活習慣の全体を一気に良くしようとする
- 突発的・イレギュラーの予定に振り回される
- 早起きへの明確な理由がない
- 手放すものが確定していない
- 早起き + α を同時にやろうとする
根性や意志力に頼らない「起きる技術」
原理原則は「早く寝れば、早く起きられる」。
早起きの技術・基本5原則
- 起きる時間ではなく寝る時間に集中する
- 睡眠負債が発生しないような十分な睡眠をとる
- 一度に一つの習慣を貫く
- センターピンを知る
- 「センターピン」=「寝る時間の決定のキーとなる行動やルール」
- 挫折に導く要因を想定する
睡眠を促す7つの行為
- スマホの電源をオフにし、カバンに入れる
- 静かな自然音やジャズなどの音楽を聴く
- 暗い部屋にする
- 寝る前の儀式をつくる ex )ヨガ
- 寝る2時間前に38度以上の風呂に入る
- 寝る3時間前には食事を済ませておく
- 夕涼みをする
理想の生活習慣に変わる5つのステップ
早起きの究極の目的は「充実した毎日」を送ること。「今日とても楽しい」という満足感と、将来の自分への期待感を合わせて、「充実している」呼べる。
①理想の生活習慣を描く
時間ごとに区切ったタイムスケジュールを紙・エクセルで作成する。
理想の生活習慣を考えるための3つのポイント
- 現状を一旦脇に置いて理想を描く
- 緊急ではないが、重要なことから埋める
- 充実感を得られるかを検証する
②現状の生活習慣を把握する
目的は理想との比較なので、あまり細かい部分にこだわらず、平均的な平日の生活リズムを書く。
③ギャップを明確にする
理想と現実のギャップから、センターピン、ボトルネックを改めて明確にする。
「ボトルネック」=「悪循環に引き戻す要因」
④例外パターンを作る
例外パターンを事前に把握しておけば、柔軟性を持たせることができる。
例外パターン設定での基本方針
- 例外パターンを3日以上連続で続けない
- 最初の3週間は睡眠時間の確保を優先する
- 4週間目を過ぎたら起床時間を優先的に守る
- 多様守れなくても自分を責めない
- センターピンだけは徹底して守る
⑤ベビーステップで始める
人間の脳にとって、変化とは脅威となる。脳は、安定・安全を維持するために、無意識的に変化を排除して「いつも通り」を維持する。よって、徐々にスタートしないと、成功率は下がる。
習慣化までの理想の3ヶ月
短時間で仕事を終わらせる高密度仕事術
1日24時間と決まった時間の中で、未来への投資時間を確保するためには、働く時間の生産性を上げ、短時間に凝縮する必要がある。一般的にはこれを「時短」というが、「高密度化」と提唱する。「高密度化」とは、単位時間あたりの生産性を極限まで高める仕事のやり方。
高密度仕事術の目的は、自分で決めた時間の枠で最大の成果を出すことであり、その密度を高める活動には終わりがない。
高密度仕事術を実現させる3つの原則
- 帰る時間を徹底して死守する
- 超集中できるエネルギーを充電する
- 完璧主義をやめ、最善主義で考える
計画を立てることより振り返りを重視することが大事である。毎日、時間簿をつけて自分の状態を可視化し、問題を明確にし、明日への対策を考える。
感想
脳科学では、目覚めてから2時間を「黄金時間」と言われていると書いてあって、それは自分の体験談からも納得した。自分が休学中、フィリピンの語学学校に通っていた時、このままじゃ自分の英語力が以前立てた目標までに届かないかなと悩んでいる時期があった。そして、ある日、ぐっすり寝た翌朝目覚めたベットの中で、「学校を変えよう!」と思いついて、通っている学校より厳しい学校(平日外出禁止)に転校することを決めたことがあった。
一見、ただの思いつきに聞こえるけど、この本に書いてある通り、起きている時の情報が寝ている時に整理され、決断ができたんだと思う。(たぶん。。)けど、結果としては、目標だったTOEFL ibt 86点を取ることができた。
朝の大切さは「入社1年目の教科書」にも書いてあったから、僕も早起き続けようと思います。
リンク貼ったので、読んでみてください(PV数ください)。