広告コラム

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広告とマーケティング 4Pと4Cとは?

広告とマーケティングの関係性

広告は、企業が行うマーケティング活動の1つとされ、マーケティング活動の中でも「情報を消費者に伝える」という役割を果たしています。マーケティングと広告は混同されることも多いですが、広告はあくまでマーケティング活動を構成する要素のひとつです。

マーケティングとは、企業が一方的に商品やサービスを生産・販売するのではなく、消費者にとってのメリットを提供するという考えのもとアメリカで誕生しました。のちに日本に導入され、今やどの企業もマーケティングを取り入れるほど主流となりました。消費者にとっての価値とは、消費者の要求に応えるということで、その声に応えるために新しい商品・サービスを創り出し、創りだされた価値をどのように消費者に伝えていくのか。
そこで消費者に情報を伝える手段として広告が活用されているのです。

マーケティングの基本構成

売り手の4P

マーケティング活動の基本は、商品(Product)・価格(Price)・販売促進(Promotion)・流通(Place)の4つの要素に分けられ、頭文字を取り4Pと呼ばれています。
この4Pのそれぞれの領域において、どうやって市場で戦うのかという戦略を決め、自社のターゲットに対して効果的なマーケティング活動を行う計画を立てます。

1.Product(商品)

商品・サービスが提供する価値や機能を指します。 例えば、品質・デザイン・パッケージング・保証・アフターサービスなどが挙げられます。消費者に価値を提供するために、商品の全体的な考え方をまとめ、どのような機能・特徴を持たせるか考えます。その特徴を伝えるためのネーミングやデザインも重要です。

2.Price(価格)

商品・サービスの価格設定に関することを指します。 例えば、標準価格・割引・支払い期限・信用取引条件などが挙げられます。商品をいくらで販売するのか、提供する商品の価値から考えて、他社との比較でどれくらいに設定するのかなど検討していきます。

3.Promotion(販売促進)

商品・サービスを広く認知してもらうための方法を指します。 例えば、広告・セールス・PR・イベントなどが挙げられます。消費者に商品の価値を伝えて、購買意欲を刺激します。

4.Place(流通)

商品・サービスの流通経路や販売方法などを指します。 例えば、流通範囲・立地・品揃え・在庫・輸送などが挙げられます。どんなところで商品を販売するのか、どうやって販売するのかなど販売に関する戦略です。インターネットや通信販売で直接消費者に販売する方法、系列店舗のみでの販売、幅広い店舗に商品を卸しての販売など、戦略を実現するための選択肢を考えていきます。

4P分析のポイント

4P分析を実行するには、ただやり方に沿うだけでなく、自社の製品やサービスに合わせた柔軟な考え方を持つことが重要です。ここでは、4P分析を実施するときの考え方について紹介します。

整合性の取れていない箇所がないかを確認する

製品やサービスの分析をするときには、整合性が取れていない箇所がないかを確認しましょう。

エレガントなイメージを売りにした商品なのに、カジュアル層向けの広告を打ち出したり、コンビニのみに販路を置いたりすると、ブランドイメージが築けません。他にも、シニア層向けの商品をインターネットのみで販売するように、整合性の採れていないマーケティングは失敗のリスクが懸念されます。

このようなミスマッチが起こる原因としては、各項目を担当する部署間での、担当者同士のコミュニケーションが十分でなかったということが考えられます。4P分析をする際には、各担当部署同士で協議し、認識を共通させておくことが重要です。

各段階のバランスを取る

4P分析においては各段階のバランスを考慮することも重要です。例えば、地元産の高品質な食品を製品(product)として販売する場合、価格(price)は一般的な価格より高く設定するとよいでしょう。また、販売する場所(plase)も地元に限定すると、顧客が地元まで足を運ばないと手に入らないような高い価値があることを強調でき、商品自体の品質とのバランスがとれます。より広く顧客を集めるためには、販売促進(promotion)として地元の顧客の口コミや評価などを掲載し、遠くまで移動して手に入れる価値があるという印象を付けることも重要です。

自社の強みについて考える

マーケティングにおいては自社の強みを考えて適切に商品を展開することも重要です。競合他社と同じような商品を展開している場合、消費者は多くの場合安い方を選ぶことが予測されますが、商品が消費者に選ばれる基準は価格だけというわけではありません。

商品そのものの品質やサイトの信頼性なども評価の基準に入るため、自社の強みを積極的に発信するだけでなく、発信方法を工夫することも必要です。そのためにはホームページや通販サイトなどの情報を充実させ、消費者からの反応率を高める施策を取ることが重要です。

4C分析の目線からも考える

4P分析が売り手目線のマーケティング分析なのに対し、買い手目線のマーケティング分析を「4C分析」といいます。マーケティングを成功させるには双方の視点からそれぞれを掛け合わせて分析することも有効な手段です。ここでは、買い手目線の分析方法、4Cの各項目についてそれぞれ紹介します。

買い手の4C

売り手(マーケティング)の4Pに対して、買い手(消費者)の視点から見る4Cも重要視されています。4Cとは、顧客価値(Customer value)、顧客コスト(Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)となり、それぞれ4Pと対応しています。

1.Customer value(顧客価値)

商品やサービスを利用し消費者が実際に得られるメリットのことをさします。 例えば、ドライヤーであれば、「従来品より長持ちする」「マイナスイオンで髪の毛がサラサラになる」というように従来品から買い替えるだけの理由を持たせることが大事なのです。

2.Cost(顧客コスト)

商品やサービスを購入した時に消費者が負担するコストのことを指します。商品やサービスを買うためのコストは、何も金銭的なコストだけではありません。商品を売っている店やサービスを提供している場所に行くための時間的なコストも消費者は負担しているのです。

3.Convenience(利便性)

商品・サービスを使うことの便利さ、商品・サービスを購入する際の利便性はどうか、商品は売り切れになってもすぐに入荷するか、サービスを受けられる時間は短くないかといったことを考えていかなければなりません。

4.Communication(コミュニケーション)

消費者の声に耳を傾け、コミュニケーションを交わすことを指します。そういった声に耳を傾けることで消費者が今求めているもの何なのかを知ることができ、新商品・新サービスを開発するにあたって重要なヒントとなります。

7P分析とは|サービス業で使用される分析方法

近年、サービス業の種類や販売手法が多様化してきたことに起因して、4P分析だけでは適切なサービスを分析できないケースも増えてきつつあることも現状です。そのため、従来の4P分析ではなく、人(People)・販売プロセス(Process)・物的証拠(Physical Evidence)が分析項目に加わった「7P」の視点での分析が活用される場合もあります。7P分析は、さまざまな形のサービスが増えると予想される今後のマーケティングにおいて、主流になるとされています。

People(人)

People(人は)サービスを提供する従業員や、取引先の関係者など、顧客へのサービス提供に関与する全ての人を指します。マーケティングのためには、サービスを直接提供する人も必須です。一方、レストランの従業員や清掃員など、無形のサービスを提供する者も顧客の満足度や評価に影響があります。それらすべての関係者を自社で管理し、顧客に十分なサービスを提供できる人員配置、人材育成を考えることが重要です。

Process(販売プロセス)

Process(販売プロセス)とは、サービスを顧客に提供する過程全般を表した要素です。販売元から顧客にサービスが届くまでにとどまらず、サービス提供のアフターサービスやカスタマーサポートも、顧客がサービス利用後のその評価を発信する過程も含まれています。それらを分析して、どこかの段階で問題があればそこを見直して、改善・効率化を目指すことがサービスの評価向上につながります。

Physical Evidence(物的証拠)

Physical Evidence(物的証拠)は無形のサービスを目に見える形にする考え方です。食材の産地を証明し安全であることを保障したり、提供した料理の具体的な評価を募集し、証明することなどがこれにあたります。具体的な証拠を示し品質や安全を保障することは、顧客の信頼向上につながり、新たな顧客を呼び込んだり、自社の別のサービスを手に取ってもらえるような要素になるでしょう。

マーケティングで使用される広告の種類

広告の種類は大きく、マス広告、セールスプロモーション広告、ネット広告の3つに分類されます。

 

マス広告

マス広告とは、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌などに掲載する広告を指します。 マス広告はマス4媒体とも呼ばれ、どの広告媒体よりもリーチする人数が圧倒的に多いと言われています。

セールスプロモーション広告

セールスプロモーション広告とは、様々な種類のツールがあり、販売促進に直結するため到達率が期待できる広告といわれています。 具体的には交通広告、駅・電車などの広告・チラシ・DM・看板・イベント・キャンペーンなどがあります。

ネット広告

ネット広告とは、Webサイトや検索エンジン画面などに表示される広告を指します。リーチできる範囲や接するユーザの属性に応じて使い分けることが可能です。 リスティング広告・バナー広告・動画広告・メール広告・アフィリエイト広告などが挙げられます。

このように、広告はマーケティングにおける4Pと4Cの関わり合いを考えながら戦略を立てていくことが大切なのです。
また、マーケティングと広告は混同されることも多いのですが、広告はあくまでマーケティングにおける活動全般を構成する要素の一つです。マーケティングと広告の違いを正しく把握して、適切な戦略を立てていくことが大切といえるのです。

マーケティングミックスのメリットと懸念点

マーケティングミックスはあらゆるサービスの展開において有用な手段ではありますが、必ずしも自社の希望に沿った展開をできるとは限りません。ここでは、マーケティングミックスのメリットとデメリットを紹介します。

4Pを使ったマーケティングミックスのメリット

マーケティングミックスの主なメリットは、マーケティング戦略において、全体を見据えた網羅性の高い分析が行えることです。例えば、商品が売れなかった場合に、商品そのものが悪かったのか、販売方法や宣伝が不適切であったかと各過程について個別に分析して問題点を洗い出せます。また、分析する項目をあらかじめ区別しておく4Pの考え方は、戦略の実行や問題の改善点について、偏りのない考え方や答えを導き出せます

企業各社の4P事例について紹介

現在、有名な企業や商品が、4Pの考え方を通じて展開を成功させたケースはさまざまにあります。以下、4Pの考え方を用いてマーケティングに成功した企業の事例を紹介します。

スターバックス コーヒー ジャパンの事例

現在でも人気のコーヒー店「スターバックス」は4Pの理論を活かして展開し、大成功を納めた企業の一つです。従来の喫茶店とは違い、店内で仕事をしたり、友人と話ができるスペースを提供することを売りにしました。価格は場所を提供している分、自動販売機やコンビニで販売されるコーヒーよりは少し高く設定されています。大きな広告宣伝は行わないという戦略ではありましたが、店頭の看板や口コミの共有などで宣伝効果を得ており、多くの顧客の獲得に成功しました。

花王株式会社:ヘルシア緑茶の事例

花王株式会社の商品「ヘルシア緑茶」は、緑茶市場に独自の価値がある商品として展開されました。高濃度のカテキンで体脂肪を減らすという、中高年を対象とした独自のコンセプトを持った特定保健用食品で、価格は少し高めに設定されています。テレビCMを中心に販促活動をしており、特定保健用食品だという旨を強調して放送したほか、手に取りやすいコンビニで流通しているため、常飲している人も多くいます。

株式会社ニトリの事例

株式会社「ニトリ」は「お、ねだん以上。」というキャッチコピーの通り、安価で高品質な家具を販売することで顧客の獲得に成功しました。家具の企画からデザイン、販売までの全てを自社で行っているため、費用が抑えられており、顧客にとって手の出しやすい価格の製品を取り扱っています。また、自社の製品で部屋のトータルコーディネイトが実現できることを強調し、広い店舗やインターネットでのまとめ買いを促進させたことも、成功の理由といえるでしょう。

株式会社セブン&アイ・ホールディングスの事例

株式会社「セブン&アイ・ホールディングス」では、他社製品の販売がメインでしたが、独自ブランドを立ち上げ、自社の運営する店舗で取り扱っています。コンビニやショッピングモールの経営経験を活かして、顧客がどのようなものを必要としているかを分析し、需要の高い商品を生み出しました。プライベートブランドのため、比較的低価格で、またコンビニでも販売されているため購入しやすいことが魅力です。また、多種多様なプロモーションも実施しており、現在もリピーターを増やし続けています。

まとめ

近年、4Pの考え方はあらゆる企業で採用され定着しています。さまざまな視点から自社の強みや、重視したいポイントを分析し、経営に生かすことは非常に重要です。4P分析を活用し、自社の売り上げを伸ばしましょう。

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