新型コロナウイルス感染症の診断と治療

更新:2023年4月26日

 【新型コロナを疑う人】

発熱または感冒症状等があり、COVID-19を疑う人に検査が行われます

【濃厚接触者】

 以前は濃厚接触者と呼称していましたが、5月8日以降は濃厚接触者という法的根拠はなくなります。しかし、感染者と接触のあった方は感染をしていたり、発症前から他の人にうつす可能性があることには、変わりはありませんので、十分に注意してください。

【検査と診断】

Ⅰ 核酸検出検査

① rt-PCR(リアルタイム核酸増幅法):特定の遺伝子を増幅させる方法です。ウイルスのコピー数の比較や推移が推定できるため信頼性が高いとされます。鼻咽頭ぬぐいや唾液などで行われます。

② LMP、TMA法等の等温核酸増幅法:簡便な機器でできる方法です。rt-PCRと比べると感度は落ちますが、反応時間は30分~1時間と短く利便性があります。反応でおきる濁度や蛍光強度を測定する器機では、偽陽性が含まれる可能性があります。

Ⅱ 抗原検査(ウイルスの蛋白を検出する方法)

① 抗原定性検査:ウイルスの蛋白を検出する方法です。迅速簡易キットがあり10-15分で判定できます。発症~9日目の症状のある人の診断に用いられます。核酸増幅法に比べると感度は低く偽陰性が多くなります。また、診断用として承認の得られていないキット(精度管理がされていない商品)の販売も問題視されています。

② 抗原定量検査:抗原量を定量的に測定でき、特異度も高いとされます。

Ⅲ 血清診断

ウイルスに対する抗体を検出する方法です。

日本で診断用として承認されたものはありません。

新型コロナウイルス感染症診療の手引き(第8.0版)より

 【治療】

新型コロナウイルス感染症の治療は、重症度でマネジメントが変わってきます。厳密なものではなく、その時の状態や年齢、経過、併存疾患などで療養場所や治療は判断されます。

軽症・中等症Ⅰ

多くは自然に軽快します。

重症化リスク因子のある人は、治療を行う対象です。

パキロビッド:もっとも有効性が高いとされています。発症5日以内の方で5日間内服の治療で、入院外来は問いません。併用薬のチェックや腎機能の確認が必要です。

ベクルリー注:点滴で3日間投与します。肺炎があるときは5日間使用します。

 自宅でも投与可能ですが、多くは入院で治療が行われます。

ゾコーバ:リスク因子がない軽症の方、他の抗ウイルス薬を希望されない方などに使われます。発症3日以内の方で5日間の内服治療です。

ゾコーバ:重症化リスクがない方や軽微な方、重症化リスクあってもパキロビッドが使えずベクルリー注を希望しない方が対象になります。

 

中等症Ⅱ:SpO2≦93%

酸素投与が開始され、レムデシビル注の点滴とステロイドが使われます。

悪化するときは、バリシチニブや血栓を予防する薬(ヘパリン)の使用が検討されます。

高齢者が誤嚥性肺炎(細菌性肺炎)を併発し、入院が必要になるケースもあります。

重症:人工呼吸器管理が必要な重症肺障害

人工呼吸器、体外式膜型人工肺など使用し、集中治療が必要な状態です。

新型コロナウイルス感染症診療の手引き(第9版)より